THE KING OF COOL #3 〜Bruce Springsteen〜
<Story Telling >
ニュージャージー州アズベリーパーク、かつては、夏の歓楽地としてにぎわった街。
古ぼけたボード・ウォーク、さびついたメリーゴーランド、塗装が落ちかけたビルボード、細々と店を開いているライブハウス、、、。60年代後半、強いアメリカにかげりが見え始めていた。

そんなアズベリーパークに、何に憧れるわけでもなく、ただひたすらバンドをつづける若者がいた。次々と吐き出される言葉、若者特有の不満感、怒り、そして、正義感、そんなものが彼の音楽にはあった。
停滞するアメリカ。希望を見出せずにいる若者。行き場のない不満が漂っていた。

1972年、この若者はCBSのオーディションに合格する。デビュー作は「GREETINGS FROM ASBURY PARK, N,J,」ひとつのアメリカの希望が動き出した。

若者の名は「Bruce Springsteen」。

Bruceは、エルヴィス・プレスリー、バディ・ホリー、チャック・ベリーなど、自らが最初に受けたロックンロールの影響を、アルバム「ダークネス・オン・ジ・エッジ・オブ・タウン」で、ありのままさらけだした。
これは、自分自身をさらけだすことによって、よりリアリティのあるメッセージを届けようとした彼の意志に他ならない。

1980年のツアーで、彼の政治や社会に対する問題意識は拡大して行く。ウディ・ガスリーの「ディス・ランド・イズ・ユア・ランド」が毎回のように演奏され、その意識は、時にアメリカそのもの向けられ、時に、そこに生きる自分自身に向けられた。

「Born To Run」で、彼は「ロックロールの未来」と唱われた。

社会と自分自身との関係を高らかに歌うBruce Springsteen、彼の中には「ロックロールの未来」ではなく、「ロックンロールの普遍性」が常に息づいている。
<Bruce Saying>
「エルヴィス・プレスリーのエド・サリバン・ショウ初出演を見たのは1956年の9月1日のことだった。」

「ギターを弾きはじけた頃は、B.B.キングのスタイルに影響を受けた。スティール・ミル時代は、ジミー・リード、オーティス・ラッシュ、マディ・ウォーターズなんかの曲をかたっぱしからカバーしてたんだ。」

「オレは、超モンスター級のレコードを出したいなんて欲を、本当は持っていないんだ。」

「自分は今、クリエイティブなパワーの頂点にいる。10年間音楽をやって来て、もがき苦しんだ後で、やっとここに到達したんだ。オレが見い出したものは、友情と希望、自分への信頼と目的、そして情熱だった。」

「80年代は、やさしさを背負って走り抜くだけだよ。」

「オレ達の音楽を人生の一部としてくれたファンのみんなへ。君たちなくしてはオレ達の音楽なんて、これっぽっちも意味をなさないんだよ。
ありがとう。」

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