THE KING OF COOL #2 〜THE ROLLING STONES〜
<Story Telling>
ロンドンから約24キロはなれたケント州ダートフォード、
この田舎町から全ては始まる。

1959年、ブルースの輸入レコードをいくつもかかえたミック・ジャガーがダートフォード駅に降り立つ。すでにギターをマスターし、R&Bに傾倒していたキース・リチャーズは、その姿を見て、すかさず声をかけた。ともにR&Bに熱中していたふたりは、すぐに意気投合し、ごく自然にジャム・セッションを始めるようになる。小学校以来の再会となるこの出来事が、その後のロックシーンを大きく塗り替えることなるということをまだ、彼らは知る由もない。
しかし、石は確実に転がり始めていた。

1961年、ミックとキースはロンドンへ向かう。
当時、ロンドンでは、R&Bは、まだ極めてアンダーグラウンドな存在だった。アレクシス・コナー&ブルース・インコーポレイテッドのステージに衝撃と勇気を得たふたりは、パーマネントなバンド結成を決意する。ブライアン・ジョーンズに出会い、ビル・ワイマンを誘い、チャーリー・ワッツを口説き落とす。

1962年、この5人からなるバンドは、ブライアンによって、THE ROLLING STONESと命名された。

STONESには、常にトラブルがつきまとう。ドラッグ、裁判、スキャンダル、そして、1969年のブライアンの死。しかし、常に逆境が彼らをさらに大きな存在にしていった。ジョン・メイオールの元からやって来たミック・テイラーは、そのブルース・フィーリングとルックスでバンドに新風を吹き込み、ロッド・スチュワートの相棒ロン・ウッドは、改めてSTONESらしさをバンドに再認識させた。最後までSTONEになりきれなかったビルはバンドを去って行った。

人は言う、ストーンズは、最強のロックンロール・バンドだと。

彼らは言う、「ただのロックンロールさ、でも好きなんだ。」

THE ROLLING STONES、まもなく結成40年を迎える。
<Stone Saying>
「当時はビートルズがすべてだったよ。彼らは、いい曲を作るいい職人だった。だが、オレたちはブルースにこだわっていたから、彼らのまねはしたくなかったのさ。」
ミック・ジャガー
「他のバンドでもプレイしたこともあるけど、このバンドくらい熱狂的なものはなかったよ。この先どうなるかわかりゃしないが、こんなに長いことバンドとしてきっちりつづいているなんて、冗談もいいところだよな。」
チャーリー・ワッツ
「オレは、連中とはずいぶんとちがってた。」
ビル・ワイマン
「ブルース・インコーポレイテッドがチュエルトナムにやってきたとき、これこそが、自分の天職だと思ったよ。」
ブライアン・ジョーンズ
「ストーンズはひとつの融合体なんだ。だれがどうプレイするか、なんてことは問題じゃない。みんなでいっしょにプレイしてみて、どんなサウンドになるかってことが、いちばん大切なんだ。今も昔も、それは変わらない。そこがたまらなくいいのさ。」
キース・リチャーズ
「誘われたときはびっくりしたよ。晴天のへきれきってやつだな。もちろん大乗り気だったよ。でも、話し合いも何もなかった。ただ、ズルズルそのままスタジオに入ってギターを弾き出したんだ。」                                      
ミック・テイラー
「オレとキースは、別に人が言うほど張り合っちゃいないよ。協力も必要だけど、ときには競争も必要さ。オレは、競争はあんまり好きじゃない。一方が勝てば、もう一方は負ける、どっちみちそのくりかえしだ。頭のいいやり方じゃないよ。もちろん、バンドの中の話だぜ。街でタクシーを拾うときだけは別さ。オレは今でも、人より先にタクシーをつかまえなきゃ気がすまないんだ。」
ミック・ジャガー
「キースの人生はローリング・ストーンズでの人生そのままでいのかもしれないけど、オレはそんな生き方はごめんだ。」
ビル・ワイマン
「家に帰ったとたん、すぐに普通の生活に戻るようにしてるよ。そういう生き方が好きなんだ。レコーディングやツアーの時は、オレだってばか騒ぎをする。でも、それ以外にだってすばらしい世界がある。どっちの世界も見ておきたいんだ。だから、はっきりと、どっちか一方の生活をすることにしてるのさ。」
チャーリー・ワッツ
「ローリング・ストーンズの終わり? オレはそんなこと考えたこともないね。だいたい、どうしたらストーンズが終わったことになるのか、オレにはわからないね。なるようにしかならないってことさ。」
キース・リチャーズ
「何が起ころうと、このバンドは解散しやしないさ。これだけのエネルギーを創りだせるバンドは、他にはないからね。ロックバンドの本来あるべき姿とでもいうのかな。“転がる石ころ”って名前は、このバンドにぴったりさ。メンバーはみんな、バンドと運命を共にする流転人生そのものなんだから。みんな無理につづけてるって意識はまるでないよ。」
ロン・ウッド

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